「真嶋先生の静かな世界』(森博嗣)

大学四年時に卒論のために配属された真嶋研究室での出会いが僕の人生を変えた。
大学での研究を通じて描かれる青春。(理系の)大学の研究とはこういうことなのだと綿密に示されています。なるほどそれまでの勉強はインプットで、研究は頭の中にあるもので新たな何かを生み出す行為。それを知っていると知らずにいるのとでは、大学生活がガラリと変わってしまうでしょう。純粋に研究に打ち込む姿が実に美しい。そして社会のしがらみが心身に巻き付いた時、「大人」へとなっていくのだろう。
真嶋先生の純粋さ、その純粋さ由縁の結末が静かに心に沁みわたります。
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『もえない』(森博嗣)

もえない  Incombustibles (カドカワ・エンタテインメント)

如何にも森博嗣らしい作品でありながら、いつもの森博嗣とは違った雰囲気をまとった作品。対象に対して距離を置いた淡々とした描写、思わせ振りなセリフ、気付けば繋がっていた伏線、それらいつもの要素が、普通の男子高校生を通じて描かれているのが新鮮だったのかも。また何よりラストの一行に、ほうと感嘆。

テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

『ゾラ・一撃・さようなら』(森博嗣)

ゾラ・一撃・さようなら (講談社ノベルス)

森博嗣的なユーモアに包まれた、如何にも森博嗣的なハードボイルド小説。思わせ振りなセリフの応酬で読者を煙に巻きながら進めて行くのはいつも通りですな。ストーリーがどうしたというより、雰囲気を楽しむものなのかも。あと好き勝手に深読みする隙を、あちこちに用意しているところが何ともニヤリとさせられますな。

テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

『目薬αで殺菌します』(森博嗣)

目薬αで殺菌します (講談社ノベルス)

このシリーズ、というか森作品は、思わせぶりな文章でイロイロはぐらかしながら、スルッと通り過ぎていきますな。もしかすると何気なく書かれていることに、こちらが気付かず読み落としている部分があるかともおもいますが。前のシリーズ含めて読み返せば、新たな発見があるんでしょうな。
今回のミステリ的趣向は、わざとらしさで彩っていたのが面白かったですね。

テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

『銀河不動産の超越』(森博嗣)

少し変わったシチュエーションに少し変わった人々が集まり、受け身の主人公が流されていく。一昔前によくあったようなパターンですな。押し掛け女房も出て来るし。しかしそこは森博嗣。独特のドライな視点で書かれている為、主人公同様こちらも流されるだけ流されて読み進めていきます。その感覚が楽しい。少し変わったズレ具合も絶妙ですしね。それだけ取り出せば何てことないことも、組み合わせで違和感を生じる。その違和感をほぐさず、そのまま進み受け入れてしまう感覚がまた面白いんですな。
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大吉

Author:大吉
物語の魅力を伝える古本屋をやっています。

好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

子どもたちに物語の面白さを伝える、そんな駄菓子屋のような古本屋を目指します。

「古本 大吉堂」大阪市住吉区遠里小野5−3−1




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