『怪盗ルパン カーの復讐』(二階堂黎人)

カーの復讐 (ミステリーランド)
カーの復讐 (ミステリーランド)

古代エジプトの秘宝と呪い! それに対峙するのは我らが怪盗ルパン!
「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」と銘打たれて刊行された「ミステリーランド」の面目躍如というべき一冊です。
怪盗ルパンシリーズの荒唐無稽なドキドキワクワクを二階堂黎人が見事に再現しています。見事に再現されているが故に古めかしい部分もありますが、それもまた楽しいというもの。かつて子どもだった人には懐かしく、少年少女には今にはないものとしての魅力があるのではないでしょうか。
古代エジプトの秘宝ホルスの眼、発掘者の周りに現れる謎のミイラ男と生霊<カー>の呪い、暗号文と秘密の地下道などなど、この大仰なトリックや人間関係や舞台設定は時代ものならでは面白さですし、その時代ものをパスティーシュの手法により現代の目を通さずに書くことができたのが魅力となっています。今では書くことのできない(書かない)ようなことも、陶磁書かれていたものという形で書くことができるのですから。

これを読んだら次は元祖怪盗ルパンシリーズを読みたくなるでしょう。読書の幅を広げてくれる(ある意味狭めて深めてくれる)一冊です。
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『宇宙神の不思議』(二階堂黎人)

幼い頃宇宙人に誘拐された記憶を持つ少女の過去を調査することになった主人公。しかしその前に宇宙人の存在を信じる宗教団体が現れて…
宇宙人やUFOの存在ありきの展開は、かなり悪ノリで、それはそれで面白いんです。しかしそれに徹してくれればいいのに、一々ツッコミが入るんです。それが少し興ざめなんですよ。もちろん最後は現実的なオチに着地するんですけどね。一つの現象に対して様々な検証を行うというのが二階堂黎人のミステリ作風であり、その一環としてのツッコミなのは判るんですけどね。このくどさも二階堂作品の持ち味ではありますな。

『奇跡島の不思議』(二階堂黎人)


二階堂 黎人
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Amazonおすすめ度:

ベタベタこてこての本格ミステリですな。絶海の孤島で起こる連続殺人事件、異様で因縁に溢れた館、猟奇的に彩られた死体などなどなど、これでもかと突きつけられます。それを真正面から真っ向勝負でドカンと描き切っているから、お腹イッパイ。でもこういうのもたまに無性に読みたくなるんですよね。解説にもあるようにパロディでもメタでもなく書かれていること自体が、この作品の魅力に繋がっているのでしょうね。そしてそれが二階堂黎人の魅力なんでしょうな。

テーマ : こんな本を読んだ
ジャンル : 本・雑誌

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大吉

Author:大吉
物語の魅力を伝える古本屋をやっています。

好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

子どもたちに物語の面白さを伝える、そんな駄菓子屋のような古本屋を目指します。

「古本 大吉堂」大阪市阿倍野区王子町3−4−4




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