『片桐大三郎とXYZの悲劇』(倉知淳)



倉知淳久々の新刊は、何とドルリー・レーンのオマージュですよ!
聴力を失った時代劇の大スターが事件を解決するという思い切った設定。満員電車の中で起こった毒物注射による殺人事件。何故犯人はウクレレを凶器にしたのか? 誘拐犯による電話は何故何度も途中で切られたのか? 大監督の幻の遺稿が不可思議な状況で消失してしまう。そんな4中編が収められています。X、Yについては殺害法まで原典に則っていて、そうするとアレはどうなるのか…と思いきや、それを裏手に取り見事に騙してくれました。なるほど、これが故のドルリー・レーンなのかと拍手。
聴力を失っているため、秘書が会話の全てをタイピングして送るという形なのですが、だからその秘書も同じものを見聞きしているのに真相にたどり着けない。何故その真相に至ったのかを老俳優は昔の思い出になぞらえながら語る。そのことにより推理の筋道が見えるのが楽しいです。またこの作者の手として、かなりえげつないことをサラリと入れ込んでくるのですね。油断していました。
シリーズ化は難しいかも知れませんが、このコンビの話はもっと読みたいですね。
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『シュークリーム・パニック Wクリーム』(倉知淳)

シュークリーム・パニック ―Wクリーム― (講談社ノベルス)

倉知淳がなんと2ヶ月連続新刊刊行ですよ! 前作がサスペンスに青春ものといった感じでしたが、今作は本格色が強かったです。しかもその本格色を軽快なセリフのやり取りとユーモアで包んでいるのが倉知色なんですよね。しかもしかも最後の最後にちゃぶ台をひっくり返すようにオチをつけるのが楽しいんです。シュークリーム盗難事件の脱力的なオチにしても、倉知淳ならではだなと。
また「名探偵南郷九条の失策」では、あるミステリの手法が見事に決まっていて爽快でした。本格ミステリの魅力を再認識させられた感じです。このイキオイでコンスタンスに新刊出してくれれば嬉しいなあ。

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『シュークリーム・パニック 生チョコレート』(倉知淳)

シュークリーム・パニック ―生チョコレート― (講談社ノベルス)

久し振りの倉知淳の新刊は、思っていた本格ミステリとは違うテイストでした。3編収録なのですが、初めの2編はサスペンス色が強くラスト1編は青春もののテイストが強いです。決してそれが面白くない訳でなく、充分以上に面白いのですが本格ミステリを期待していた身としては複雑なのですよ。
その中で一番のお気に入りは青春ものの「夏の終わりと僕らの影と」ですね。爽やか青春ストーリーに真っ向勝負という感じが、まぶしくて素敵です。最後の謎部分が突飛に思ったのですが、その謎の解答に繋がるものがこの話の肝になるのに至り腑に落ちました。

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『こめぐら』(倉知淳)

こめぐら (倉知淳作品集)

倉知淳は大好きなのに、なかなか本のでない作家というイメージがありますな。そんなこんなでノンシリーズ短編集。2冊同時発売のもう1冊です。
ラジオドラマあり、時代劇あり、童話あり、メタあり、おバカありとバラエティに富んでいます。おまけに猫丸先輩まであり! ユーモアとサービス精神に溢れた作品が楽しいです。しかもノンシリーズならではの一発芸的ネタが、ミステリの面白さを引き出しています。やっぱり僕は倉知淳が好きだし、本格ミステリが好きなんだと叫びたくなる1冊でした。
なに? 猫丸先輩を知らない!? ちょっとここに座りなさい。じっくりしっかりきっちりかっちり語り聞かせてくれよう!

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『なぎなた』(倉知淳)

なぎなた (倉知淳作品集)

好きなのになかなか本が出ない、そんな倉知淳の短編集が2冊同時発売ですよ! てな訳でまず1冊読みました。倒叙ものあり、翻訳小説風なのがあり、ねこちやん(誤記にあらず)ありでバラエティに富んでいます。謎に対して複数人がああでもないこうでもないと理屈をこねくり回して、思いもよらぬ結論に辿り着くというタイプの話がミステリの楽しさが詰まっていて好きですね。それで読後感がいいんですよ。それがこの作者の特徴でしょうね。

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プロフィール

大吉

Author:大吉
物語の魅力を伝える古本屋をやっています。

好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

子どもたちに物語の面白さを伝える、そんな駄菓子屋のような古本屋を目指します。

「古本 大吉堂」大阪市住吉区遠里小野5−3−1




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