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『また、同じ夢を見ていた』(住野よる)

また、同じ夢を見ていた
また、同じ夢を見ていた

純粋と聡さを固めたような主人公の少女は、学校のクラスメイトが馬鹿に思えて友達ではないと言う。そんな彼女が出会った友達は、尻尾の短い彼女とアパートに住むアバズレさんとお菓子を作ってくれるおばあちゃん、そして手首に傷がある南さんだった。
授業で提示された問題「幸せとは何か?」彼女はその答を求めて友達と語り合うのだった。

主人公は実に純粋です。他人からの言葉を真っ直ぐに受け止めることができます。そして実に賢いです。だからその言葉を自分の中で整理して自分の価値観で見ることができます。
しかし、純粋故に他人を傷付けてしまうことのあること、純粋故に他人の意見を受け容れなくなること、賢いが故に気付かない想い、そんなことがあることに彼女は気付いていなかったのです。純粋と聡さを持つが故に生きにくい道を選びそうになる彼女に、出会った友達たちが本当に彼女が選ぶ道を気付かせてくれます。
あの時の選択は正しかったのか。それを気付かせてくれるのは一体誰なのか。

「幸せとは何か」「人生とは何か」その問いに答えるため彼女は考えます。純粋で聡い彼女は、純粋で聡いが故に間違いも犯します。でも純粋で聡い彼女は、純粋で聡いが故に答えに辿り着くのです。
物語の読了後自らの心に問うでしょう。幸せとは何でしょうか?
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プロフィール

大吉

Author:大吉
物語の魅力を伝える古本屋をやっています。
YA(ヤングアダルト)、児童書を中心に「10代の心(実年齢問わず)を刺激する本」を並べています。
そして本人もそういう本が大好きです。


「大吉堂」大阪市阿倍野区阪南町3-12-23



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