『パーラ』(ラルフ・イーザウ)

上巻・沈黙の町
パーラ〈上〉沈黙の町
下巻・古城の秘密
パーラ〈下〉古城の秘密

初めは取っ付きにくかったのですが、読むに連れてのめり込んでいきました。街から言葉が失われ奪われていく、その原因を探るべくパーラは立ち上がる。
言葉の大切さを唱えながら、言葉遊びを巧みに織り交ぜて進むストーリーは魅力的です。各章に1編ずつソネット(十四行詩)が添えられ、その末尾の1行が次の詩の冒頭に繋がるという構成も見事。でも日本語訳大変だっただろうなと思いますよ。駄洒落じみたところや掛け言葉などは傍注を用いず日本語で新たに造語されています。それがわざとらしさがなく、作品世界と調和されているのに感服です。現代社会の情報過多文明を皮肉った部分にもニヤリとさせられますね。自分の言葉を持たず、垂れ流された情報を受け取るだけだなんて、今のネット文化そのものかも。(書かれた当時はテレビを想定していたのかも)
また訳者あとがきにあるように、「モモ」や「アリス」を彷彿とさせる物語でもあります。現代風にしたと言い換えてもいいかも知れません。主人公パーラの勝ち気なところも魅力的ですしね。
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テーマ : 児童書
ジャンル : 本・雑誌

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まとめ【『パーラ』(ラルフ・】

上巻・沈黙の町下巻・古城の秘密初めは取っ付きにくかったのですが、読むに連れてのめり込んでいきました

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大吉

Author:大吉
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好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

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「古本 大吉堂」大阪市住吉区遠里小野5−3−1




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