『ぼくたちの船タンバリ』(ベンノー・プルードラ)



少年たちが帆船で冒険をする物語だと思ったら少し違いました。

村を離れていた老船乗りルーデンが遺した帆船タンバリ号を巡り、村の人々の思いが錯綜する。ルーデンのことをよく思っていなかった漁師たちはタンバリを邪魔者扱いし、ルーデンを慕っていた少年ヤンはタンバリを修理して航海を夢見る。子どもたちがタンバリを酔っぱらいのカスバウムと修理を始めたら、漁師の組合の損失補填のためにタンバリを売り払おうとする意見が現れ、子どもたちの気持ちを守ろうとする者との間に軋轢が生じる。子どもたちの中も一枚岩ではなくそれぞれの思いがあり、けんかしながら自分の気持ちを訴える。父と子のそれぞれがそれぞれを想いながらすれ違ってしまう。タンバリを中心としてそれぞれの思いがぶつかり合います。
自分がその場にいたならば、自分はどう思うだろうかどう行動するだろうかを考えながら読み進めました。
そして最後ヤンが取った行動とラストシーンをどう受け取るか。ただ単に爽やかな青春の謳歌とは言い切れないものがあります。
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大吉

Author:大吉
物語の魅力を伝える古本屋をやっています。

好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

子どもたちに物語の面白さを伝える、そんな駄菓子屋のような古本屋を目指します。

「古本 大吉堂」大阪市住吉区遠里小野5−3−1




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