『眠り姫とバンパイア』(我孫子武丸)



母親とふたり暮らしの優希の元に家庭教師に行った歩実は、彼女からパパが3年振りに会いに来てくれたと告げられる。しかし優希の父親は交通事故により亡くなっているはずだった。しかも優希は父親がバンパイアだと思っているのだった。
元々「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」という惹句で刊行されたミステリーランドの1冊として出ています。そのためページ数は少なめで判り易く書かれてはいますが、我孫子武丸の持ち味が遺憾なく発揮されています。
優希と歩実ふたりの視点が章ごとに入れ替わることや、はじめに性別の取り違えがあったので、これは叙述トリックが仕掛けられているのか? と身構えて読みましたが、そのため別に仕掛けられていたことに気付かずに進んでしまうということになりました。児童書体裁では扱いにくいものでしょうが、そこが読者を子どもだけに想定しないミステリーランドの強みでしょうね。シリーズの他の作家もかなりなことをしていますが、ここでもその醍醐味があります。
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Author:大吉
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