『ブロード街の12日間』(デボラ・ホプキンソン、千葉茂樹・訳)


1854年イギリスのブロード街で起こったコレラの大流行。その史実を元にした物語。実在の人物と創造の人物を交えコレラの流行する様と、その原因を探る科学捜査の流れを物語に乗せて表わされているので、とてもわかりやすいです。このわかりやすいというのが物語の持つ力なのでしょう。
そこには主人公イールの魅力も大きいでしょう。醸造所でメッセンジャーボーイとして働きながら、とある理由でお金を稼ぐ理由がありテムズ川をさらい、スノウ博士の動物たちの世話をする。その理由の謎も物語を引っ張る要因ともなっていますし、イールの健気さも示されます。周りの人々がコレラで倒れていく中、自分に何ができるか考え、新たな知識を吸収し、それに則り行動する。そんなイールの視点で物語を見るので、とてもわかりやすいんですね。史実に関する著者の解説も巻末にあり、関心を持てば一層奥まで案内してくれるのも嬉しいです。


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Author:大吉
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好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

子どもたちに物語の面白さを伝える、そんな駄菓子屋のような古本屋を目指します。

「古本 大吉堂」大阪市住吉区遠里小野5−3−1




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