『あたらしい図鑑』(長薗安浩)



扁平足がきっかけで出逢った老紳士は詩人だった。
過去様々な作家が「少年と老人と夏」で物語を紡いでいます。この組み合わせはある意味定石なのでしょう。しかしだからこそ難しいテーマでもあると思います。そして見事にここにしかない「少年と老人と夏」が描かれていました。
言葉にならないものを言葉にするのが詩人。そんな詩人からもやもやとした言葉にならないものをスケッチブックにスクラップしていけと言われる少年。はじめはもやもやとしたものとは何なのか、それ自体がもやもやとしていたのが、気になる言葉を次々に辞典で調べ自分の言葉にしていく内に現れるもやもやとしたもの。言葉に向き合うことによって、世の中のアレコレ森羅万象とも向き合うことになる。言葉と向き合うことで世界は広がる。そんな真っ直ぐなメッセージが眩しく素敵です。
出逢った瞬間に恋に落ちる憧れの少女、気の置けない親友(この少年もまた己に真っ直ぐで素敵なのです)、そんな青春もの直球な要素を加えながら、詩人と少年の交流がかっこよく描かれます。そう、かっこいいんですよね。詩人もその詩人に対して真っ直ぐな少年も。このかっこよさが青春小説の醍醐味なのでしょう。
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大吉

Author:大吉
物語の魅力を伝える古本屋をやっています。

好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

子どもたちに物語の面白さを伝える、そんな駄菓子屋のような古本屋を目指します。

「古本 大吉堂」大阪市住吉区遠里小野5−3−1




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