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『ニューヨークの妖精物語』(シャンナ・スウェンドソン、今泉敦子・訳)



妖精にさらわれた妹を助け出すため、ソフィーは持ち前の鉄の意志と知識をフル活用して妖精に対抗する。
現代のニューヨークを舞台としたフェアリートーク。人間界とは別の世界として妖精の世界があり、そこを行き来することにより物語は展開します。妖精たちはそれぞれのグループごとに年代の違う人間の流行を取り入れた様相をしていたり、妖精界の食べ物を口にした人間は元の世界に帰れなくなることや、妖精は鉄を苦手とすることなど、伝承として広まっている妖精の特徴とこの作品ならではのルールが相まって世界観が形成されています。そして昔話でお馴染みの要素も散りばめられています。なのですぐに妖精たちの世界に入り込めるのですが、肝心の目的が見えて来ない。その謎で物語を引っ張っていくのですが、それよりも牽引力として大きいのは、登場人物たちの個性でしょう。
向かうところ敵なしの主人公ソフィーにしろ、意外と堅実的な妹のエミリー、悪の女王然とした妖精メーヴ、事件に対して必死に食い付こうとする刑事マイケル、世界一ものぐさであり頼りになるブルドックのボーなどなど。そこに人間の魔法使いの老姉妹やら様々な妖精たちも入り乱れて、あっという間に物語が進んでいきます。それもエンターテインメントの王道のど真ん中を駆け抜けるように。その読後には爽快感もあります。しかもまだまだ問題を残しておき、以下シリーズ続きますよという素晴らしい引きも残しながら。
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大吉

Author:大吉
物語の魅力を伝える古本屋をやっています。

好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

子どもたちに物語の面白さを伝える、そんな駄菓子屋のような古本屋を目指します。

「古本 大吉堂」大阪市阿倍野区王子町3−4−4




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