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『みんなの少年探偵団』(アンソロジー)



あの江戸川乱歩の少年探偵団シリーズをテーマにした新作アンソロジー。様々な作家が少年探偵団を書くというのは面白い試みでワクワクするのですが、対象やら原作との関係性が各作品でバラバラなので、一冊の本としてまとまりのない印象になってしまっています。
万城目学「永遠」や小路幸也「東京の探偵」はかつて少年探偵団を読んだ人に対して、新たな世界を提供するもので面白いのですが、この本では浮いた印象も強いです。
湊かなえ「少女探偵団」は現代の子に対して少年探偵団の面白さを伝えるような内容なのですが、どうもぎくしゃくとした慣れない様子も垣間見えました。
向井湘吾「指数犬」は少年探偵団のひとつのエピソードとして成立しそうな内容で楽しいものでした。
藤谷治「解散二十面相」はメタ視線をもったパロディで、本家の少年探偵団読んでいると嬉しくなるような描写や仕掛けが為されています。
さてこうなると、今の子どもたちは果たして少年探偵団を読んでいるのだろうか? という疑問も浮かんできます。ではこの本が少年探偵団への入口となるかと言えば、少し難しい気もします。これはやはりかつて少年探偵団を読んだ大人が懐かしがったり、新たな視点に驚いたり喜んだりする本なのかも知れません。今の子たちへの入口はそのまま「怪人二十面相」が一番でしょう。
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大吉

Author:大吉
物語の魅力を伝える古本屋をやっています。

好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

子どもたちに物語の面白さを伝える、そんな駄菓子屋のような古本屋を目指します。

「古本 大吉堂」大阪市阿倍野区王子町3−4−4




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