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『純喫茶「一服堂」の四季』(東川篤哉)



毎度毎度東川篤哉にはやられてしまいます。どうしてもベタなギャグと軽い文章のため誤解されがちなのですが、東川作品はガチガチの本格ミステリなんですよね。
使い古されたネタをこのように展開させるのか! と驚きと喜びに満ちた読後感なのでした。
鎌倉にひっそりと佇む時間が止まったかのような喫茶店。そこの店主ヨリ子は極度の人見知りだが、猟奇事件の推理を始めた途端に態度が豹変する。この設定もあれこれの寄せ集めのような感じもあるのですが、そんなことは些末なことなのです。そこには十字架磔死体や頭部と手首が切り落とされた死体など猟奇に彩られた事件と、何故どうやって誰がという魅力的な謎があるのです。それがテンポよい会話で進められギャグの中にも伏線が忍ばされる。実に構成が美しいのです。
謎や伏線自体は割とわかりやすく示されてもいます。しかしそれは読んでいる最中に引っ掛かりを感じた部分にきちんと意味があるということ。これまた美しいミステリの要素ですね。そして最後に仕掛けられたトリック。隅々まで楽しませてくれます。
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大吉

Author:大吉
物語の魅力を伝える古本屋をやっています。

好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

子どもたちに物語の面白さを伝える、そんな駄菓子屋のような古本屋を目指します。

「古本 大吉堂」大阪市阿倍野区王子町3−4−4




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