FC2ブログ

『紙の動物園』(ケン・リュウ、古沢嘉通・訳)



散々話題になっていたSFをようやく読みました。ふだんSFをそれほど読んでいないのですが、読むと面白いのですね。それはアイデアが開花する瞬間を目の当たりにする面白さとでも言いましょうか。そしてこの短編集でもその面白さを思う存分堪能したのです。
ひとつのアイデアから広がる世界。動き出す折り紙の動物、結び目を文字とする民族、未開の星へ辿り着いた人物の変化、不死を手に入れた者の想い、感情のアルゴリズム、文字占い、などなど。それらのアイデアが物語を展開させる時の軌跡の美しさと哀しさ。
いわゆるハッピーエンドの作品が少ないにも関わらず読後感が悪くならないのは、その軌跡の素晴らしさを見せられたから。種が芽吹き花を咲かす様子を堪能したから。物語作家としての力を見せつけられました。
これはSFに対して苦手意識を持つ人にも勧められる作品でしょう。物語に耽溺する悦びに満ちた作品集です。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

大吉

Author:大吉
物語の魅力を伝える古本屋をやっています。

好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

子どもたちに物語の面白さを伝える、そんな駄菓子屋のような古本屋を目指します。

「古本 大吉堂」大阪市阿倍野区王子町3−4−4




にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

FC2カウンター
ブクログ
カテゴリ
リンク
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
検索フォーム