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『雨ふる本屋』(日向理恵子)

雨ふる本屋 (単行本図書)
雨ふる本屋 (単行本図書)

お使い帰りに図書館で雨宿りしていたルウ子は、かたつむりに導かれ雨ふる本屋に辿り着く。そこでは忘れられた物語の種から本が作られるのだった。その物語の種に異変があると告げられたルウ子は、原因を探るため種の作られるほっぽり森へと行くのだった。

何とも不機嫌そうな女の子の絵とタイトルが印象的な本なので、前々から気になっていました。
不機嫌そうに見える理由は幼い妹のこと。病弱な妹がお母さんを独占していることから生じる想い。その想いが物語の核となります。いや物語の種と表現した方がいいのかも。
しかしその妹とのエピソードがはじめにルウ子の気持ちとして表わされるだけなので、共感として実感しにくいものとなっているのではないかとも思われます。

人間の持つ夢の力が具象化される世界の様子は楽しいです。あちらこちらにファンタジックな要素がばらまかれ、物語を華やかにしています。雨がふっている古本屋、おもちゃの汽車やくじらが移動手段となり、コウモリのレインコートで空を飛ぶ。
ルウ子ははじめから乗り気だったのではありません。それどころか拒否する気持ちも強く表わされています。しかし徐々にルウ子が楽しいと思うこととなり、そのことにより物語が展開します。その流れがあるから、読者もまたその世界を共に楽しむのでしょう。
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プロフィール

大吉

Author:大吉
物語の魅力を伝える古本屋をやっています。

好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

子どもたちに物語の面白さを伝える、そんな駄菓子屋のような古本屋を目指します。

「古本 大吉堂」大阪市阿倍野区王子町3−4−4




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