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『スカイブレイカー』(ケネス・オッペル、原田勝・訳)

スカイブレイカー
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血湧き肉踊る空想科学冒険活劇! 前作エアボーンが面白かったので大きな期待を込めて読んでみたら、期待を裏切らない面白さでした。
40年前に財宝を積んだまま行方不明となった飛行船ハイペリオン号。その伝説の幽霊飛行船を捜索するためにマットは高高度飛行できるスカイブレイカーと称される飛行船サガルマータ号に乗り込むのだった。

前作では乗っている飛行船が空賊に襲われ大海の孤島に不時着し謎の獣にも襲われるという命がけの冒険に継ぐ冒険のため、マットは生き残ること第一で他のことに目を向ける余裕がなかったのです。そんな中からケイトとの淡い恋心が実る過程も見られたのです。
しかし今回はケイトとは一応恋仲となり、憧れの飛行船アカデミーにも通っているというある種の余裕がある状況から物語が始まります。
しかし余裕があるということは他のことに目が向くということであり、マットは金銭面に於けるケイトとの差や、恋敵の登場にコンプレックスが刺激されます。前作でも豪華客船のキャビンボーイという自分の地位に対しての忸怩たる想いも描かれていましたが、今作ではそのコンプレックスがマットの行動原理となり、悩みの核となります。それは若さから来るもので、その若さをしっかりと書かれているのがこの作品を冒険譚でありながら青春譚として成り立たせている要なのでしょう。
その姿に読者としては共感したり、ちょっとイライラしたりさせられるのです。でもその気持ちがあるからこそ、終盤のマットの活躍が光るのですけど。コンプレックスを脱却するきっかけが何とも若さに溢れるもので、いいなあと目を細めてしまうのです。

それ以外にも奇才グルーネルの発明、空に棲む未知の生物、謎の少女の正体などなど心躍る要素がてんこ盛りで楽しませてくれます。
どうもこのシリーズは続編もあるみたいなのですが、こちらは現在未翻訳なのですね。日本でも刊行されることを熱望します。
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大吉

Author:大吉
物語の魅力を伝える古本屋をやっています。

好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

子どもたちに物語の面白さを伝える、そんな駄菓子屋のような古本屋を目指します。

「古本 大吉堂」大阪市阿倍野区王子町3−4−4




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