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『ドルオーテ はつかねずみは異星人』(斉藤洋)

ドルオーテ はつかねずみは異星人 (講談社青い鳥文庫)
ドルオーテ はつかねずみは異星人 (講談社青い鳥文庫)

ベランダで星を見ていた達郎の前に現れた小さな宇宙船。それに乗って地球にやって来た異星人ドルオーテは、はつかねずみを用意してくれと言うのだった。

いわゆる「居候型」の物語です。まんがならば「ドラえもん」や「オバケのQ太郎」、児童文学なら「くまのパディントン」でしょうか。昔からお馴染みの形ですね。主人公が異世界に行かず、異世界(宇宙だったり未来だったり魔法の正解だったり様々な異世界がありますが)から主人公の日常に何かがやって来ることで物語が始まります。
その居候型の物語には大きく分けて2種類あると思うのです。居候キャラの破天荒な行動や、常識のズレから起こる騒動に主人公が巻き込まれるパターン。そして居候キャラの特殊能力によって主人公を助けたり希望を叶えたりするパターン。そのふたつの融合パターンもありますね。

しかしこの「ドルオーテ」はそのふたつのパターンとは少し違う感じがするのです。
ドルオーテが持つ異星人の高度な技術力や異星人特有の性質に達郎が助けられるシーンはあります。しかしそれが物語の中心には据えられていない気がするのです。
ドルオーテも達郎を助けるためにそこにいる訳ではなく、自分の研究心や元の世界に帰りたいという思いに則り動いているのです。その中で友情を築いた達郎を助けるのは、謂わば当たり前の話なのですね。友達だから助ける、ただそれだけのこと。各々勝手にやっているのに友情によって結ばれている、そんな様子がとても心地好いのです。
それは達郎の何でも受け容れる性格にも因るのかも知れません。一見大人げなく放任主義にも思える両親の元で育ったからこそ培われた性質なんじゃないかなとも思いますが、それはうがち過ぎですかね。
そんな達郎がドルオーテという異星人(自分と異なるもの)に出逢い付き合う中で起こる心の動き、それが物語の核となるので他の居候型の物語と違った印象があるのかも知れません。そこが楽しくてグイグイ読んでいました。
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大吉

Author:大吉
物語の魅力を伝える古本屋をやっています。

好きな作家は、有栖川有栖、田中芳樹、江戸川乱歩、倉知淳、恩田陸、北村薫、宮部みゆき、京極夏彦、小川洋子、殊能将之、梨木香歩、泡坂妻夫、東川篤哉、綾辻行人、長野まゆみ、大崎梢、恒川光太郎、吉田篤弘、上橋菜穂子、岡田淳、R・ダール、E・ケストナー、などなど。気になりゃ何でも読みます。

子どもたちに物語の面白さを伝える、そんな駄菓子屋のような古本屋を目指します。

「古本 大吉堂」大阪市阿倍野区王子町3−4−4




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